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近頃、どうも体調がすぐれない・・・
体がだるい 目がかすむ 肩が凝る 眠れない 耳鳴り・・・etc
そこで医師の診察を受けたが、特に・・異常は見当たらない。
別に自覚症状はないが、健康診断の検査値に出ていた。 |
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そんな経験は、ありませんか? |
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東洋医学では、近い将来病気になるであろう一歩前の段階を、
未病 と呼んでいます。
未病とは、病気とは診断されないが健康でもない状態のこと。
そして、この段階で未然に病気を治して行くことを、未病治(みびょうち)と言います。 |
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古代中国の医書「黄帝内経素問」には、
「上工は病の萌芽(ほうが)を治し下工は已病(いびょう)を治す」とあります。
これは東洋医学における伝統的思想のひとつで
病が花咲く前の、芽生える頃に治してしまおうという意味です。 |
何か思い当たるようでしたら、この機会に鍼灸治療も体験されてみては如何でしょうか。 |
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生活習慣病は、気付かないうちに忍び寄ってきます。
生活上の不摂生が重なり、それが年月を重ねて発症する疾患群をいいます。
発症するまでの間に、時々未病のサインを身体に送ります。
体がだるい 目がかすむ 肩が凝る 眠れない 耳鳴り 頭痛 など、
厚生省では、生活習慣病予防の五大要素として次ぎのことをあげています。
食事 運動 禁煙 飲酒 休養
東洋医学の病気にならないための思想、未病治を心掛け生活習慣病を予防しましょう。 |
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時はグルメブーム、そして車社会! |
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最近では食べ過ぎや運動不足などによる生活習慣病が増加してきています。
過食や運動不足など悪い習慣を続けると、血液中のコレステロールが増え、
高脂血症となり、本来サラサラと流れるべき血液がドロドロに変化します。
この状態を放っておくと、
自覚症状がなくても、知らないうちに動脈硬化が進んでいきます。
現在、日本人の死因でガンに次いで多い心臓病 脳血管障害(脳卒中・脳梗塞)も、
この動脈硬化が主な原因となっています。 |
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生活習慣病の種類 |
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● 癌(ガン) |
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● 循環器疾患・・高血圧症 動脈硬化症 狭心症 心筋梗塞など |
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● 代謝・内分泌(ホルモン)疾患・・糖尿病 高脂血症 痛風など |
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● アレルギー免疫疾患・・リウマチ ぜんそく アトピー性皮膚炎など |
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・・・etc |
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● 1341年中国の滑伯仁著「十四経発揮」の序文に
「人為血気之属・飲食起居節宜微爽不能無疾」と書かれています。
解説すると |
★人為血気之属・・・人は血液のはたらきに支えられている。
★飲食起居節宜微爽不能無疾・・・飲食たちふるまいを程よく努め、
少しでも道理にたがえる事があれば必ず病気になる。
※ 生体の基本について触れ、食養生の大切さを説いています。 |
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● 同じく滑伯仁著「十四経発揮」では、血液の病による症状が記されています。
東洋医学では血液の病のことを、所生病(しょせいびょう)と呼んでいます。
その原因として、
飲食・労倦(ろうけん)・内傷(精神作用)が挙げられています。 |
★飲食・・・食生活のことです。
★労倦・・・血液の使いすぎのことで、過剰労働や度重なるセックスなど。
★内傷・・・怒る・笑う・思う・悲しむ・恐れるなどの精神動揺を指します。 |
※ 日々の生活習慣と、病との関係について説かれています。 |
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● 中国伝統医学の経典「黄帝内経霊枢」には治療の本質について記されています。 |
「人体には五臓六腑と体表をつなぐ経脈があって血気が流注している。
経穴に鍼灸して血気の虚実を調えると健康は回復する。病の症状のみに
とらわれず、経脈の血気の虚実を治療目標にする人が上医である。
血気の虚実は微妙であるから補瀉を誤ってはならぬ。・・・・・」と。 |
分かりやすくいうと |
「生体には、体表と内臓とをつなぐ経脈という伝達路がある。その中には
血液と、それを巡らすエネルギー(気)が、流れ注がれている。ツボに鍼灸
して、血液の働きや流れのバランスを均衡に保つと健康は回復する。現
れた症状のみに捕らわれず、日頃より、経脈を流れている血液のはたら
きのバランスを調える事を、治療目標にする人が上手な医者である。血
液のはたらきの調整は微妙であるから、治療を誤ってはならぬ。」 |
※ 血液のはたらきは、病と密接な関係にあると教えています。 |
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血気こそ人の生命 |
中国伝統医学では、古来よりすでに現代医学の考え方と同じく、健康は血気(血液のはたらき)と深い関わりがあることを経験的に知り得ていました。
治療の基本は、診療毎に脈診を行い、どこの経絡の変動が身体に影響を及ぼしているのかを探り、証(しょう)を決めます。ツボは、その証に従って処方されて行き、やがてバランスのとれた正常な状態へと体を調えることが出来ます。
中国伝統医学たる鍼灸の古典には、生活習慣と病気との関係について数多く記されています。鍼灸治療は、鍼と艾(もぐさ)のみで体のさまざまな部分に働きかけ、全身のバランスを調える事ができます。証を判定し個人差にあわせた正しいツボを処方できれば鍼灸は素晴らしい治療効果を生み出します。
東洋医学には、病気になる前に病気を察知して治して行くという未病治(みびょうち)という思想がありますから、このように、本来ある鍼灸の力が最大限に発揮できれば、生活習慣病の予防に役立つことは大いに期待できるでしょう。
これからは、病気になってから治すのではなく、病気にならない体を作るという方向に変えて行くことが大切です。
生活習慣を見直し、自分で自分の健康を管理していくためにも、鍼灸治療を上手に役立てて頂けたらと思います。 |
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ことばの説明 |
● 五臓六腑 |
内臓のことで肝臓 心臓 脾臓 肺臓 腎臓 胆 小腸 胃 大腸
膀胱を指します。 |
● 経脈 |
目に見えない生命エネルギーの循環路(血気の通路)で、14の経脈がありま
す。経脈は互いに連絡しあい全身を環(たまき)の如く流れ一巡します。経脈の体表にあたる部分を「経」と言い、ここに経穴(ツボ)があります。そして経から「脈」となって体内に深く入り、内臓まで連絡しています。 |
● 血気 |
(血は血液・気は「はたらき」)
血液と、そのはたらきの事をいいます。 |
● 経穴 |
俗に言うツボのことです。「経」の「穴」。穴は(あな)を意味しツボは触診上、穴らしき所(くぼみ)として捉える事ができます。 |
● 血気の虚実 |
血液のはたらきと、そのバランスのことです。 |
● 補瀉 |
治療法の事で、虚には補(ほ)、実には瀉(しゃ)という手技を用います。 |
● 脈診 |
正確には、六部定位脈診法(ろくぶじょうい)といい、脈の力の強弱で体を
実証か虚証かに分け、ツボを処方するための手がかりとします。 |
● 已病 |
これは、未病の反対を意味し、すでに病気になってしまった状態をいいます。未病とは,病気になる前の状態です。已病に至らず、未病のうちに治しましょう。 |
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●「症」と「証」の違い |
「症」とは、 |
患者のうえに具体的に現れている症状で、自覚的にも他覚的にも感知できる現象。 |
「証」とは、 |
その具体的な現象を脈診により、どこの五臓六腑に所属する経絡の虚実かを診断し、治療方針を明らかにさせるもの。 |
例えば、 |
腎経虚証・肝経実証・胃経実肺経虚証・という名で診断されます。 |
※ 医師の診断名および症状は、証という診断名に代わってツボが処方されます。 |
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●虚実(きょじつ)・補瀉(ほしゃ)とは |
同じ病気でも人によって体質や反応などが違います。
そこで、この違いを脈診で「虚証」と「実証」とに分け治療方針を決めます。
「虚」とは、体力が弱っていて、エネルギーが不足している状態をさします。
虚証のときは、補法(足らないものを補う)という治療をします。
「実」とは、体力が充実しており、余分なエネルギーが溜まっている状態。
実証のときは、瀉法(有り余ったものを取り除く)という治療をします。 |
虚証には補(ほ)のツボ,補の手技を用い、実証には瀉(しゃ)のツボ,瀉の手技を用います。 |
※ 虚実は、力学的に捉えると生体の力の強弱を意味します。 |
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参 考 文 献 |
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● 滑伯仁著「十四経発揮」
● 岡本一抱著「十四経和語抄」
● 馬場白光著「鍼灸力学」
● 馬場白光著「鍼灸治療の證」
● 竹山晋一郎著「漢方医術復興の理論」
● 小川晴通著「不思議の世界、鍼」 |
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