鍼灸何でも相談室(胎児や小児疾患)
- Q. No.37 逆子
32週目で逆子なんですが針灸で効果がありますでしょうか?体操もやっているのですが、なかなか動いてくれません。それから冷え性です。こういうのも良くなりますか?
きゆみ [2004/11/19-12:13:12]
- A. No.37-1 Re:逆子
ちょうど先日32週目の方からの質問があり回答をしておりますので、これを一部利用させていただきます。東洋医学の知識がおありの紹介者からの質問なので専門的な聞き方でしたが。
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Q1)逆子の治療には、三陰交(間接灸?)と至陰への灸が多く用いられるようですが、先生はどのような治療を?全身治療?
Q2)治療の確率は7?9割と聞いております。32週だと7?8割となってしまうようですが、治療回数は?
Q3)逆子治療の経験はございますでしょうか?
------(以下お答え)
8ヶ月過ぎていると確かに確率としては低くなりますが、出産までには正常な状態にもどる可能性がないわけではなく、帝王切開しなくても7ヶ月で約90%、8ヶ月なら約80%、9ヶ月でも約65%程度は正常位にもどると言われているので、いろいろ試されてみたらいいと思います。
体操も(既にやっておられるようですが)効果的ですし、呼吸法とか・・他の治療とか。
逆子の灸に関しては、たくさんの方々が検証されており、必ずしも三陰交や至陰とは限りません。
また、三陰交の(間接灸?)に関しては、以前はここへ強い刺激を加えると流産するといった言い伝えがあったために間接灸をされている先生も多いですが、ある報告では、妊娠中に禁忌穴(強い刺激を加えてはいけないと従来言われていた)である三陰交へ加えられた強い刺激によって胎児に影響は無いという結果も学会等で報告されています。よってエビデンス(科学的な根拠)は古典に存在するものもないものも混じっているので、定説は無いのが現状です。
さらに治療は特に逆子にみということだけでは行いません。逆子のツボとして上記2つは有名ですが、やはりそれだけではうまくいかず、体質的な問題を考慮して他のツボを選びます。
要は胎児が居やすい環境(母体)を整備するということが治療の出産までの目的で、短期的に胎児に直接的に影響(揺さぶりをかける)を与えるために經絡などで子宮に影響を与えそうなツボを使うわけです。
また、逆子治療の経験に関してですが、鍼灸院では逆子の治療でこられる方は多いです。もちろん当院でも。ぎりぎり(9ヶ月くらい)になってラストチャンスにかけてみようといった場合も結構あります。確率的には9ヶ月では50%いくかいかないか?程度ですが。なお、逆子治療に関しては途中で連絡が無くなるとか、早めに入院とか、いろいろありますので正確な確率は取れていません。でも、月に数件はあるでしょうか。
治療回数に関しては10回程度試してみませんか?と言っています。矯正がうまくいかなくても出産に備えた体調管理には役立ちますし。
さらに冷えに関しては、傾向として冷えの症状が慢性的にある方の方が逆子になりやすいようです。治療で選ぶツボも冷えと関係の深いものばかりで、出産後も温灸などでお教えしたツボを刺激していただくと改善します。
- A. No.59 逆子が治る確率が高くなっています
書き込みテストを兼ねて・・・最近逆子の治療成績がいいです。
本日も2回の治療で正常に戻ったのが今日の検診で確認され、実は今日治っていなかったら帝王切開だった患者さんから報告の電話がありました。
先日も37週で数回で戻った方からお礼のメールがありましたが、出産間じかでもあきらめないで試してほしいな。